【行政書士が解説】【総集編】もめない相続・想いをつなぐ遺言書のすすめ第20話

20回にわたって「相続と遺言について」を解説してきました。
相続は法律の話が主になりますが、家族のつながり・人生の締めくくりに深く関わるテーマです。
財産の多い少ないに関係なく「知らなかった」「準備していなかった」だけで家族が傷つくことがあります。
この記事では、これまでの内容を 必要なポイントだけ に整理しなおして、今日からできる準備と行政書士としてのメッセージをまとめます。
🟩 1. 全20回の要点:相続で最も大事なのは「情報」と「意思」
✔ 情報が整っているご家族はもめない
- 財産の全体像が分かる
- 名義と実態が一致している
- 重要書類の場所が分かる
- 連絡が取れる
✔ 親の意思が言葉や書面で残っている
- 遺言書(公正証書 or 自筆+法務局保管)
- 家族へのメッセージ
- 延命治療・葬儀・供養の方針
法律より前に「なぜそのように分けるのか」。
この背景が伝わっているご家族は本当に強い。
🟩 2. 相続トラブルの8割は感情から生まれる
実務では、金額よりも次項が原因になることがあります。
| 主な原因 | 内容 |
|---|---|
| 情報の非対称 | 「聞いてなかった」「誰かが隠している気がする」 |
| 不公平感 | 介護、金銭援助、感謝の度合いなど |
| 親の真意が分からない | 遺言なし/曖昧な意思表示 |
| 兄弟の関係性 | 昔のしこりが再燃する |
財産が700万円でもめるご家族があれば、1億円あっても円満に終わるご家族があります。(資産が多いご家族ほど相続対策をされているのでもめることが少なく、逆に何もしていない財産が少ないご家族がもめるケースが多いです。)
つまり最強の対策は
① 情報を整理する
② 親の意思を見える化する
この2つだけと言っても過言ではないかもしれません。
🟩 3. もめない相続のための「黄金ルール5つ」
🔵 ① 財産の棚卸しをしておく
通帳・不動産・保険・株・ネット口座。
すべてを書き出すだけで、家族の不安と作業は大幅に減る。
🔵 ② 遺言書を作っておく
公正証書遺言ならほぼ確実にトラブルを防げる。
※自筆なら法務局保管制度をセットで。
🔵 ③ 生前贈与の“やり過ぎ”に注意
節税になると思って無計画に贈与すると、あとで「特別受益」として争いになることも。
🔵 ④ 名義と実態をそろえる
家、車、事業用資産などは誰のものか明確に。
🔵 ⑤ 困ったら兄弟だけで抱え込まない
法律と感情が混ざると話が止まる。
第三者(行政書士・税理士・司法書士)を入れると感情が冷静になる。
🟩 4. 20話読んだ読者へ ― 今日からできる3ステップ
✔ ステップ① 通帳・保険・不動産の一覧を作る
これは“財産目録”というほど大げさじゃなくていい。
以下の3つだけでも圧倒的に整理されます
- どこの銀行に口座がある?
- 家・土地の名義は誰?
- 加入している保険は?
✔ ステップ② 親の意思を確認する
たとえば
- 「この家はどうしたい?」
- 「葬儀はどうしたい?」
- 「遺言書を作る気ある?」
聞きづらい場合は、この記事を見せて話題にするところからでもOKです。
✔ ステップ③ 遺言書を具体的に検討する
公正証書遺言なら法的安定性は抜群。
財産が多いや兄弟が多い、不動産があるご家庭は必須です。
🟩 5. Q&A(よくある質問)
Q1. 遺言書さえ作ればもめませんか?
→ ほぼ防げますが、気持ちの説明があるとより強いです。
「なぜこの分け方なのか」を一言添えるだけで違います。
Q2. 相続手続き、どこから手を付ければいい?
→ まず戸籍+財産の棚卸しです。
この2つで全体像が見えて、不安が半分になります。
Q3. 家族が協力してくれません…
→ よくある相談です。
その場合は、第三者に説明してもらうことで話が前に進むこともあります。
🟩 6. ⭕✖️クイズ(クリックで答え表示)
Q. 公正証書遺言があれば、相続手続きでほとんど揉めることはない。
🟦 7. 終わりに ― 行政書士として伝えたいこと
相続は財産を分ける作業だけではなく、家族の未来を守る準備です。
誰もがいつか向き合うテーマだからこそ、不安なまま放置してほしくありません。
あなたやご家族が準備しておけば良かったと後悔しないように、専門家としてしっかり寄り添いながらサポートします。
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相続・遺言・生前対策について、他では聞きづらい質問や家族に話しにくい悩みも歓迎です。


