古物商許可の取り方|要件・必要書類・申請の流れを行政書士が解説(第2話)

メルカリ・ヤフオク・店舗販売などで中古品を仕入れて販売する 場合に必要になるのが「古物商許可」です。
しかし、初めての方にとっては
- 自分で申請できるのか?
- 自宅でも営業所にできるのか?
- 書類が複雑そう…
- 許可までどれくらい時間がかかるの?
と申請に不安を感じるポイントがあります。
この記事では、行政書士の実務知識にもとづいて、わかりやすく整理して解説します。
古物商許可は、申請の流れが分かれば決して難しくありません。
あなたのビジネスの第一歩を確実に踏み出していきましょう。
【第1章】古物商許可とは?必要な場面をまず知る
古物商許可が必要になるのは、中古品(古物)を仕入れて販売営業をする場合です。
● 許可が不要なケース
- 自分の不要品を売るだけ
- コレクションの整理
- 家の片付けで出たものを出品するだけ
● 許可が必要になるケース
- メルカリで「仕入れて販売」する
- リサイクルショップを開く
- 古着をまとめて購入して販売
- 中古スマホを転売する
- 本・ゲーム・ブランド品の転売
不用品処分ではなく、営利目的で中古品を仕入れ → 販売をする場合が対象です。
【第2章】誰が申請できるのか?|欠格要件
古物商許可は、誰でも取れるわけではありません。
まずは以下の欠格要件を満たしている必要があります。
▼ 申請できない主なケース(古物営業法 第4条)
- 成年者と同一の能力を有しない未成年者(相続人を除く)。
- 破産して復権していない
- 窃盗・詐欺など特定犯罪で罰金以上 → 5年以内
- 拘禁刑以上の刑に処せられて5年経過していない
- 古物商許可の取消処分を受けて5年以内
- 住居の定まっていない人
- 反社会的勢力との関係がある
-(法人の場合)役員の1人でも欠格要件該当 → 申請不可
個人・法人ともに「全員が適格」であることがポイント。
【第3章】営業所と管理者の要件|自宅でも申請可能?
古物商営業を行うには「営業所」が必要です。
▼ 営業所の要件
① 所在地が明確である
自宅(戸建・マンション)でも OK。
ただし、賃貸で 「事業利用不可」 となっている場合は注意が必要です。
② 古物台帳を備えられる
紙・電子どちらでも可。
最近では Excel やクラウド台帳も正式に認められています。
③ バーチャルオフィスは不可
実態のある場所でないと認められません。
▼ 管理者(古物営業管理者)の要件
営業所には 管理者を1名選任します。
- 欠格要件に該当しない
- 常勤で管理できる
- 知識がある(講習受講が望ましい)
本人が管理者になるケースが最も一般的です。
【第4章】必要書類チェックリスト|これだけ揃えばOK
古物商許可は書類さえ揃えば難しくありません。
▼ 個人申請のチェックリスト
- ☐ 申請書
- ☐ 略歴書
- ☐ 誓約書
- ☐ 住民票(本籍入り / マイナンバー記載なし)
- ☐ 身分証明書(本籍地市区町村発行)
- ☐ 営業所の賃貸借契約書(必要な場合)
- ☐ 管理者の選任届(申請人が管理者になる場合不要)
- ☐ 管理者の略歴書・誓約書(申請人が管理者になる場合不要)
- ☐ 申請手数料:19,000円
▼ 法人申請のチェックリスト
- ☐ 申請書
- ☐ 法人の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- ☐ 定款(目的に「古物営業」の記載必須)
- ☐ 役員・管理者全員の住民票・身分証明書
- ☐ 役員・管理者全員の略歴書・誓約書
- ☐ 手数料:19,000円(営業所ごと)
【第5章】申請から許可までの流れ|40日が目安
実務で一般的なスケジュールは以下の通りです。
▼ ① 書類収集(1〜2週間)
住民票・身分証明書の準備で時間がかかることも。
▼ ② 申請書提出(警察署)
窓口で不備がないか確認 → 受理。
▼ ③ 審査期間|40日前後(申請日翌日から起算、土日祝日を除く)
古物営業法でも「概ね40日以内」が目安。
▼ ④ 許可証交付
許可番号が付与され、営業開始できます。
【第6章】よくある質問(Q&A)
Q1. 不用品販売だけなら許可はいらない?
A. 不要品の処分目的なら不要です。
仕入れて販売する場合は必要になります。
Q2. 許可を取る前に販売したらどうなる?
A. 無許可営業となり罰則対象になる可能性があります。
Q3. 一度許可を取れば全国で営業できる?
A. 営業所は都道府県単位ですが、営業は全国で可能です。
Q4. 電子台帳で本当に大丈夫?
A. 施行規則改正により、正式に認められています。
【第7章】○✖️クイズで理解度チェック!
Q. バーチャルオフィスでも、古物商許可の営業所として認められる。
【まとめ】古物商許可は「流れを知れば難しくない」
ポイントは次の4つです。
- 申請人・管理者が欠格要件に該当しないこと
- 賃貸の場合は営業所の用途制限に注意しましょう
- 管理者を適切に選任する
- 書類を揃えればスムーズに申請が可能です
副業での物販や本格的なリユース事業の入口として、古物商許可は取っておくべき許可です。
申請手続きなど迷われましたら、どうぞ一度ご相談ください。
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▼ 第3話(次回予告)
第3話:古物商許可を取った後にやること|古物台帳・標識・取引ルールを行政書士が解説
次回は、許可取得後に必要な
- 古物台帳のつけ方(紙・電子版の両方を解説)
- 標識(プレート)の掲示ルール
- 商品の本人確認(身分確認の義務)
- ネット販売で特に注意すべき点
- 警察への変更届と義務
など実務で役立つポイントを徹底的に分かりやすく解説します。
許可を取るだけで終わらない、実践的な第3話。
ぜひお楽しみに。


