建設業許可は取って終わりではありません|変更届と更新(30日前まで)をミスなく管理する方法(第8話)

建設業許可は、許可取得がゴールではありません。
むしろ本番は「取得後の管理」です。
届出をし忘れると次の更新や業種追加が進められなくなったり、監督処分・罰則のリスクにつながります。
ここを押さえている会社が実務に強いです。
取得後の必須タスクは大きく分けて4つです。
- 変更があれば「変更届」(30日以内/2週間以内など期限あり)
- 毎年「決算変更届(事業年度終了届)」=毎事業年度終了後4ヶ月以内
- 5年ごとの「更新」=満了30日前までに申請
- 許可票(標識)の掲示(営業所・現場)
変更届:何が変わったら出す?(期限がある)
代表例だけでも、これだけあります。
届出期間が30日以内 (代表例)
- 商号・名称
- 主たる営業所の所在地・電話番号・郵便番号
- 資本金額
- 代表者(申請者)
- 役員の就任・退任・氏名変更(役職名の変更を含む)
- 従たる営業所(支店等)の名称・所在地等
届出期間が2週間以内で要注意なもの(代表例)
- 建設業法施行令第3条使用人(支店長・営業所長クラス等)の就任・退任・変更
- 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)・補佐する者の変更、氏名変更、削除
ポイント
期限が短い届出ほど、社内の人事・組織変更で発生する内容です。
法務・総務だけに任せきりにせず、変更が起きたら許可担当へ連絡する社内ルールの構築が大切です。
決算変更届(事業年度終了届):毎年必ず出す
建設業許可は、毎年の事業年度終了後に決算変更届(事業年度終了届)を4ヶ月以内に提出する必要があります。
提出書類のイメージとしては、工事経歴書、財務諸表(貸借対照表・損益計算書等)など所定の一式です。
ここが落とし穴
- 税務申告が終わっても、建設業許可の“決算変更届”は別物(出し忘れることが多い)
- 出していないと、更新や業種追加が進められない運用になっていることが多い
更新:5年ごと。満了30日前までに申請
許可の有効期間は「許可日から5年目を経過する日の前日まで」。
継続するなら、満了30日前までに更新申請が必要です(休日なら直後の開庁日まで)。
また、更新申請を出していれば、満了後も処分(許可/不許可)が出るまでは従前の許可が有効という取り扱いが手引きで示されています。
標識(許可票)の掲示:営業所・現場での“信用の顔”
建設業許可の標識(許可票)は、営業所や工事現場での掲示が関係します。記載事項・様式は国交省資料で整理されています。
実務のコツ
- 会社情報変更(商号・所在地・代表者等)があったら、標識の記載も更新が必要
- 現場掲示は「誰が・いつ・どこに」掲示するかを事前に決めて、掲示板などを利用し関係者への周知と事故防止につなげるのがコツです。
罰則・リスク:出さないと「次の手続きが止まる」
変更届を期限内に出す必要があり、未提出は罰則の対象となり得ること、期限を守らない場合に報告を求められる可能性があることが手引き内でも明記されています。
よくある質問(Q&A)
Q1. 会社の住所が変わりました。何日以内に変更届が必要ですか?
A. 主たる営業所の所在地等の変更は、手引き上「30日以内」と整理されています。
Q2. 支店長(営業所長)を交代しました。どれくらい急ぎですか?
A. 建設業法施行令第3条使用人の就任・退任・変更は「2週間以内」とされています。
Q3. 決算変更届は、税務申告が終わっていれば不要ですか?
A. 不要ではありません。
建設業法上、毎事業年度終了後4ヶ月以内に提出が必要です。
Q4. 更新はいつから準備すべき?
A. 期限は、有効期間満了の30日前まで。
余裕を持って、大臣許可は3ヶ月前〜、知事許可は2ヶ月前〜が目安です。
1問○✖️クイズ
【○✖️クイズ】建設業許可 取得後の手続き
Q. 建設業許可の「決算変更届(事業年度終了届)」は、事業年度が終わったら 毎年、原則4ヶ月以内に提出が必要である。
※自治体(知事許可)・地方整備局(大臣許可)で様式や添付の運用が異なることがあります。
まとめ
建設業許可は、許可取得するよりも取得後の管理が重要です。
変更届(30日以内/2週間以内)や決算変更届(4ヶ月以内)、更新(満了30日前まで)は、忙しい現場ですと抜けがちです。
当事務所では、次のようなご相談に対応しています。
- 変更届が必要かどうかの整理(役員・営業所・経管/補佐・営業所技術者等)
- 決算変更届(事業年度終了届)の作成・提出サポート
- 更新申請のスケジュール設計と必要書類の整備
- 「一般 → 特定」切替や業種追加の事前診断(将来計画込み)
「これ届出いるのかな?」とあいまいなのは危険です。
早めに一度、状況を棚卸ししてみませんか。
次回予告(第9話)
第9話は「営業所技術者等の実務経験・資格の考え方(一般建設業メイン)」を落とし穴(業種のズレ、証明資料の考え方、常勤性)まで踏み込んで整理します。


