亡くなった直後〜10ヶ月でやるべき相続手続きチェック― 期限・窓口・優先順位を行政書士が整理 ―第8話

1.相続は死亡直後から始まる手続きの連続
相続の手続きは、被相続人(亡くなった方)が亡くなった時点で法律上開始します。
早期に対応すべきものから数か月以内に対応すべきものまで期限や優先度があるために、順序立てて進める必要があります。
2.死亡後すぐに(〜7日以内)
■① 死亡届の提出
- 亡くなった日から7日以内に市区町村役場へ提出します。
- 死亡届と同時に火葬許可申請を行うケースが一般的です。
■② 世帯主変更・住民票除票
- 死亡届と合わせて住民票の抹消・世帯主変更を行います。
■③ 年金・健康保険の喪失届
- 年金・健康保険の資格喪失手続きが必要です。
国民年金は14日以内の期限が示されています。
■④ 介護保険・後期高齢者医療
- 該当する場合は資格喪失届の提出が必要です。
3.死亡後の「優先度が高い」公的手続き(〜14日以内めど)
■⑤ 世帯主変更届(世帯内構成の場合)
- 世帯主の変更が必要な場合、死亡日から14日以内に提出します。
■⑥ 各種保険証の返却
- 健康保険証・介護保険証等を市区町村窓口へ返却。
4.死亡後「すぐ取り組むべき」相続前提の手続き
これらは葬儀後に落ち着いた段階で進めますが、なるべく初動で開始するのが望ましい項目です。
■⑦ 金融機関への連絡
- 被相続人の銀行・証券会社等に死亡連絡。
預金口座は原則凍結されます。
■⑧ 遺言書の有無の確認
- 自宅内・貸し金庫・法務局保管の可能性など、関係者で探します。
■⑨ 相続人の基本情報整理
- 被相続人と相続人の戸籍・住民票を取得して、相続人関係を可視化(第1〜4話参照)。
■⑩ 財産調査開始
- 銀行・証券・不動産・保険など財産調査を始めます。
その際に必要な書類は、戸籍・住民票・印鑑証明など。
5.3ヵ月以内・7〜10ヵ月以内の期限
■⑪ 相続放棄・限定承認の決定(3ヵ月以内)
- 相続人は相続開始と知った日から3ヵ月以内に判断が必要です(家庭裁判所へ申述)。
■⑫ 相続税申告(10ヵ月以内)
- 相続税がかかる場合は、亡くなった日から10ヵ月以内に申告・納税が必要です。
6.戸籍取得のタイミング・実務での注意点
■戸籍・住民票のタイミング
- 相続人の戸籍は、原則として相続開始後に発行されたものが実務で要求されます。
■印鑑証明書の有効期限
- 証明書自体に法的な有効期限はありませんが、窓口により期限を求められる場合があるために事前確認が重要です。
7.役所での手続き
役所窓口では、葬儀関連以外にも次のような手続きが必要になる場合があります。
- 健康保険証・介護保険証の返却
- 世帯主変更届
- 年金受給者死亡届
- 健康保険など資格喪失届
- 福祉手当や介護保険関連の還付・申請
期限が明確に定められていないものもありますが、早めの対応を推奨します。
8.実務上よくある質問(Q&A)
Q1.死亡届はいつまでに出せばよいですか?
A.7日以内に市区町村役場へ提出します。
死亡診断書(または死体検案書)と一体になっているのが一般的です。
Q2.相続放棄・限定承認の期限は?
A.相続を知った日から3ヵ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
Q3.相続税申告は遅れるとどうなりますか?
A.原則として10ヵ月以内の申告・納税義務があります。
遅れると延滞税が発生する可能性があります。
まとめ
相続手続きの初動は、期限を意識すると同時に複数の手続きを進めることが成功への鍵です。
初動が滞るとその後の戸籍収集・相続人確定・財産調査・税務や登記に影響が出ますので、優先順位に沿って進めてください。
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