🏛 第5回:在留カードの期限・再交付・紛失時の手続まとめ|期限管理・14日ルール・再交付・記載変更を一気に整理【最新版】

在留カードは、中長期在留者にとって“身分と在留の証明”。
期限の管理・届出の期限(原則14日)・再交付の条件を押さえれば、ほとんどのトラブルは防げます。
この記事では、出入国在留管理庁の最新案内(令和6年版)に基づいて
期限・再交付・記載変更・紛失時の手続を行政書士の実務視点でわかりやすく整理します。
1️⃣ 在留カードの「有効期間」と更新の基礎
- 在留カードの有効期間更新が必要な人(例:永住者・高度専門職2号など)は、定められた期間に更新申請を行います。
- 2023年11月以降のカードでは、在留期間の満了日または16歳の誕生日の前日のどちらか早い方が有効期限となります。
👉 この「16歳誕生日の前日」が期限となるケースは、16歳未満の中長期在留者(子どもなど)に適用されます。 - 在留期間の更新(ビザ更新)は、満了の約3か月前から申請可能。
- 更新許可時には、6,000円(オンラインは5,500円)の収入印紙を納付します。
💡 ポイント
「在留期間の更新」と「在留カードの有効期間更新」は別の手続。
まずどちらに該当するかを整理してから動きましょう。
2️⃣ 重要な「14日ルール」
ほとんどの届出・再交付・変更は、14日以内がルールです。
| 手続内容 | 届出期限 |
|---|---|
| 住所変更 | 14日以内(市区町村で手続) |
| 氏名・国籍等の変更 | 14日以内(入管で届出) |
| 紛失・盗難・汚損 | 14日以内に再交付申請 |
⚠️ 期限を過ぎた場合
「理由書」の提出が求められます。誠実に経緯を説明すれば、多くのケースで受理されます。
3️⃣ 紛失・盗難・汚損時の再交付手続
🔸 国内で紛失・盗難に気づいたとき
- まず警察に遺失届を出します。
- 14日以内に入管で再交付申請。
- 受け取りは後日になる場合あり。
💰 手数料:無料(0円)
📄 必要書類・持ち物
- 在留カード再交付申請書(入管庁様式)
- 警察の受理番号(遺失届出証明があれば添付)
- パスポート(本人確認用)
- 写真(縦4cm×横3cm、無帽・背景無地)
- 理由書(期限超過時のみ)
🔸 海外で紛失した場合
帰国後、入国した日から14日以内に再交付を申請します。
現地で警察に遺失届を出しておくとスムーズです。
🔸 自己都合でカード交換したい場合
汚損などの理由ではなく、単純に再発行したい場合は1,600円の収入印紙が必要です。
🔸 旧カードが見つかった場合
新カード交付後に旧カードが見つかったときは、必ず返納します(14日以内が目安)。
4️⃣ 記載事項変更と住所変更の違い
| 種類 | 届出先 | 必要書類 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 氏名・国籍の変更 | 入管 | 戸籍抄本・婚姻証明書など(日本人配偶者の場合) 外国人はパスポート等の国籍変更証明 | 14日以内に届出。裏面に新記載 |
| 住所変更 | 市区町村役場 | 新旧住所の記載がある住民票(またはマイナンバーカード) | 引越し後14日以内に手続。カード裏面に自動記載 |
💡 豆知識
住所変更では新カードは発行されません。裏面に新住所が印字されるだけです。
5️⃣ チェックリスト(コピペOK)
✅ 期限管理
- 在留期間満了日:__年__月__日(3か月前に更新準備)
- 在留カード有効期限:__年__月__日
- 住所変更予定:新居決定後14日以内に届出
✅ 紛失・盗難時
- 警察に遺失届を提出
- 入管で14日以内に再交付申請(手数料無料)
- パスポート・写真を忘れず持参
- 旧カードが見つかったら返納
✅ 記載変更
- 氏名・国籍変更後、14日以内に入管届出
- 住民票または戸籍抄本を添付(必要に応じて)
- 理由書(遅延時)を準備
6️⃣ よくあるトラブルと防止策
| よくあるトラブル | 原因 | 防止策 |
|---|---|---|
| 更新手続とカード更新の混同 | 手続の区別が曖昧 | 「何を更新するか」を最初に確認 |
| 14日を過ぎて届出 | 忘れ・転居時の混乱 | Googleカレンダー等で自動リマインド |
| 海外で紛失 | 現地で警察届出を忘れる | 渡航前に「再交付ルート」を確認 |
| 旧カードの返納忘れ | 紛失後発見 | 返納タスクを申請時チェックリストに記載 |
7️⃣ Q&A
Q1. 在留カードをなくしたら?
→ 警察に遺失届を出して、14日以内に入管で再交付。費用は無料です。
Q2. 海外でなくした場合は?
→ 帰国後、最初に入国した日から14日以内に申請します。
Q3. 引越し後の住所変更は?
→ 市区町村の役場で手続。住民票またはマイナンバーカードを持参。
Q4. 氏名変更には何が必要?
→ 戸籍抄本や婚姻証明書、パスポートなど、変更を証明する書類。
Q5. カードを自分の都合で交換できる?
→ 可能ですが1,600円の収入印紙が必要です。
Q6. 旧カードが見つかったら?
→ 14日以内に必ず返納しましょう。
8️⃣ まとめ
在留カードの管理は、外国人本人にとって最も大切な義務のひとつ。
14日ルール・期限逆算・証拠書類の準備を意識すれば不法残留や行政指導を防げます。
行政書士としては、再交付・届出・更新を”期限管理のしくみ”として支援することが重要です。
初回相談時には「期限カレンダー」と「再交付チェックリスト」を一緒に作っておくと効果的です。
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