🚨 第16回：ビザが不許可になった理由はココだ｜技人国・家族滞在・経営管理でよくある落ち方と再申請のコツ【2025年最新】

「在留資格申請が不許可になりました」という通知。

それは“あなたはダメです”という意味ではありません。
入管の審査は「どこが足りなかったのか」をはっきりしたロジックで判断しています。

この記事では、よく申請される３つの在留資格

• 技術・人文知識・国際業務（いわゆる就労ビザの代表）
• 家族滞在
• 経営・管理（いわゆる経営管理ビザ）
  ――それぞれで不許可になる典型パターンと再申請で補うべき証拠の作り方をまとめます。

2025年10月時点での入管庁の運用・基準改正内容（特に「経営・管理」の審査強化）反映済みです。👉法務省
読者にとってのゴールは「次は審査を通す」こと。その視点で読んでください。

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📌 まず押さえるべき“審査の3つの軸”

入管は主に次の3つを見て判断します（不許可通知の文言もだいたいこのどれかに紐づきます）。

1. 在留資格該当性
   　そのビザの活動内容に本当に当てはまっているか。
   　例：申請が「技術・人文知識・国際業務」のはずなのに、実態はレジ・配膳など単純作業ではないか？
2. 基準適合性
   　法務省が定めた基準（“基準省令”等）に合っているか。
   　例：学歴や実務経験が足りているか／会社に事業実体があるか。
3. 相当性
   　社会通念上おかしくないか、信頼できる申請か。
   　例：書類の内容が矛盾していないか。給与が日本人と極端に差がないか。過去に違反がないか。

この3つのどこで引っかかったのかを特定できると、次の再申請が組み立てやすいです。

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1️⃣ 技術・人文知識・国際業務（いわゆる「技人国」）で落ちる典型4パターン

「技術・人文知識・国際業務」は、理工系・文系の専門知識や国際業務に基づいて働く在留資格です。

この資格は“専門職であること”が大前提であり、単純労働は対象外です。

パターンA：仕事内容が専門業務になっていない

• 例：大学で経済学を学んだ人を「惣菜工場のライン作業員」として雇う申請
• 入管の見方：その仕事は「専門知識を使う業務」ではなく、いわゆる単純作業では？
• 結果：「在留資格該当性なし」で不許可になりやすい。

👉 対策

• 「実際にやる業務」を細かく説明する職務内容説明書（Job Description/JD）を作り直す。
• 業務の中心が“分析・企画・通訳・設計・交渉・設計開発”といった知的業務であることを数値で示す。
  　例：「データ分析と改善提案＝業務の80％」「在庫棚卸し補助＝20％」のように主従関係を明示する。

パターンB：専攻や職歴と職務内容の関連性が弱い

• 例：心理学専攻→キッチンスタッフ。経営学専攻→ホール接客。
• 入管の見方：「大学や専門学校で学んだ内容（または10年以上の実務経験など）」と今の職務がつながっていない。
• 結果：「基準適合性なし」で不許可になりやすい。

👉 対策

• 大学・専修学校の成績証明書・シラバス（授業計画）と業務内容を対応づけて提出する。
  　「マーケティング論→市場分析業務に活用」「会計学→月次決算サポートに活用」など
• “専門学校修了”で申請する場合は、その学校が法務大臣告示定められる要件の課程であることも明記する。

パターンC：会社に実態がない・信用が弱い

• 申請書は「会計事務」。しかし、現地を確認すると実際は飲食店だった、など。
• 入管の見方：雇用主が本当にその業務を提供できる会社なのか？ 実態はあるのか？
• 結果：「該当性なし」か「相当性なし」。

👉 対策

• 登記事項証明書、事業内容が分かる会社案内、会社のオフィスや現場の写真、契約書・受注書など「実在・継続している企業」であることを証拠で固める。
• 申請書に書いた“部署”や“仕事内容”と実際の現場が一致していることを明確にする。

パターンD：報酬（給与）が日本人と同等以上になっていない

• 同じ職種の日本人は20万円／月、申請人は17万円／月、といったケースで不許可になった事例もあります。
• これは「差別的な低賃金で雇おうとしていないか」を見ている。

👉 対策

• 労働条件通知書に「日本人と同条件」を明記。
• 同じ職務で働く日本人正社員・新卒社員の給与テーブルを比較資料として添付。
• 社会保険加入予定も明確に示す。

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2️⃣ 家族滞在で落ちる典型3パターン

家族滞在は、在留している外国人がその配偶者・子どもを日本に呼んで一緒に暮らすための在留資格です。

審査では「本当に扶養できるか」と「本当に家族として一緒に暮らすのか」が特に見られます。これは、入管が家族滞在を審査する際の基本的な考え方として公表している内容です。

パターンA：生活維持能力（扶養能力）が説明できていない

• 申請人の収入や雇用状態が安定していない、税金や社会保険料の支払い実績が薄い。
• 入管の見方：「この世帯は日本で公的扶助に頼らず暮らせるのか？」
• 結果：不許可（生活基盤が弱いと判断）

👉 対策

• 在職証明書、課税証明書、源泉徴収票、給与明細などを提出。
• 住居が確保されていること（契約書など）を示して「家賃を払いつつ家族を養える」という状況を見せる。
• 税や社会保険を未納にしていないことも信頼材料になる。

パターンB：婚姻関係・親子関係の立証が弱い

• 「婚姻証明書が不十分」「翻訳が曖昧」「事実婚・内縁だけで書類がない」など
• 入管の見方：偽装結婚・偽装扶養の疑いはないか？
• 結果：不許可（身分関係が確認できない）

👉 対策

• 婚姻証明書／出生証明書を原本＋正確な日本語訳で提出。
• 連絡の履歴や一緒の居住実態を補強資料として求められることもある。
• 内縁関係は原則「家族滞在」の対象外とされる（法律婚が前提）。

パターンC：同居の予定が曖昧

• 扶養者と家族が別々に暮らす前提になっている、あるいは「配偶者だけ別の都市で暮らす」など
• 入管の見方：「本当に扶養して一緒に生活するのか？」
• 結果：不許可（扶養実態がないと判断）

👉 対策

• 家族全員が住む予定の住所・住居契約を明示。
• やむを得ない別居（単身赴任、長期入院など）があるなら、理由書と証拠をしっかり付ける。
• “一時的に別居→合流予定”であるなら、そのタイムラインを明示する。

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3️⃣ 経営・管理（いわゆる「経営管理ビザ」）で落ちる典型4パターン

「経営・管理」は、日本で会社を経営・運営するための在留資格です。

2025年10月16日施行の改正で審査がさらに厳しくなりました（常勤職員の雇用義務など）。

パターンA：会社の実体が弱い（ペーパーカンパニー扱い）

• 会社登記はしたが、オフィスも実店舗も稼働していない。
• 事業計画だけで契約書や顧客基盤の証明がない。
• 入管の見方：「これは本当に事業を運営しているのか？」
• 結果：不許可（該当性・基準適合性なし）

👉 対策

• 事業所の賃貸借契約書、設備写真、営業許可（たとえば飲食業なら営業許可）。
• 受注予定契約・業務委託契約・仕入契約。
• 会社案内・組織図・銀行口座の資金の流れなど「動いている会社」であることを示す。

パターンB：常勤職員を雇っていない（2025年改正ポイント）

• 改正後、「申請者が経営する事業において、1名以上の常勤職員を雇用すること」が要件化された。👉法務省
• 常勤職員＝社会保険加入のフルタイム相当で継続的に勤務する人材を指すイメージ。

👉 対策

• 実際に雇用済みか、雇用予定の場合は雇用契約書・採用予定者のプロフィールを用意して雇用の現実性を示す
• 「身内を名目上雇っただけ」のような形は通りにくくなっているので注意。

パターンC：資本や資金計画の裏付け不足

• 設備投資・運転資金の根拠が弱い。
• 店舗やオフィスが形だけで事業としての収益見込みや資金の出どころが説明できない。
• 入管の見方：「短期間で消える会社では？」

👉 対策

• 事業計画書に売上モデル、コスト構造、人員配置、資金の出所（自己資金・出資・融資）を明記。
• 預金残高証明、投資契約書、融資契約などを提示して“持続性がある事業”であることを見せる。
• 飲食など許認可産業なら、許認可取得可能な物件かどうか（保健所許可レベルの具体性）も必要とされている。

パターンD：経営者本人の「運営能力」が示せていない

• 日本語での管理・監督ができないのでは？
• 経営経験・業務経験がないのでは？
• 入管の見方：「この人は本当に会社をマネジメントできるのか？」
• 特に改正後は、経営者本人または常勤職員のいずれかに一定程度の日本語能力などを求める運用が示されている。

👉 対策

• これまでの職歴や業績をまとめた経歴書。
• 社内の管理体制図（誰が日常業務を監督し、誰が顧客対応/日本語対応するか）。
• 外国人オーナー単独ではなく、日本語対応可能な常勤スタッフの存在を示す。

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4️⃣ 再申請のときに必ずやるべきこと（3分チェック）

1. 不許可の理由を正確に聞き取る
   　不許可通知書は短いので、入管窓口で「どこが問題だったのか」を口頭で確認する。
   　メモ必須（録音NG）。
   　※不許可通知書自体には、詳細な理由は書かれない。
2. その理由を“該当性／基準／相当性”のどこに分類するか決める
   　分類できると、どの証拠を補強すべきかが一発でわかる。
   　- 該当性 → 業務内容・活動内容の再説明
   　- 基準 → 学歴・実務経験・常勤雇用などの客観書類
   　- 相当性 → 信頼性（虚偽でない、給与が適正など）
3. 新しい事実を用意してから申請する
   　同じ書類をそのまま出し直しても不許可判断はほぼ変わらない。
   　再申請は「説得力ある新材料」を付けて初めて意味があります。

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5️⃣ よくある質問（Q&A）

Q1. 不許可になったらすぐに出国しないとダメ？
→ 在留期限が残っていれば、ただちに出国義務という扱いではありません。ただし、そのまま放置せず「どう修正すべきか」を早めに確認してください。これは在留管理の観点から入管庁も強く求めています。

Q2. 同じ内容で“もう一回だけお願いします”と再提出すれば通りますか？
→ ほぼ通りません。入管庁は前回資料と比較して「改善があるか」「虚偽が解消されたか」を見ています。

Q3. 技術・人文知識・国際業務は、レジ打ちやホール係でも出せますか？
→ そのような単純作業中心の職務は原則対象外と明言されています。
　企画・分析・通訳・設計など“知的・専門的な業務”が主である必要があります。

Q4. 家族滞在は、収入が少なくても愛情があればいけますか？
→ 気持ちだけでは通りません。
　「日本で家族全員が生活できるだけの基盤があるか」を確認されます。収入の安定性や住居の確保を示す証拠が重要です。

Q5. 経営・管理は会社を作れば誰でも取れますか？
→ もうその時代ではありません。
　2025年10月16日の改正後は、常勤職員を1名以上雇うことや事業の実体・資金計画・日本語対応体制などが厳しくチェックされます。👉法務省

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まとめ

• 不許可には“理由”がある。感情ではなくロジック。
• そのロジックは、「在留資格該当性」「基準適合性」「相当性」のどこかに当てはまる。
• 在留資格の種類によって、つまずく場所は違う：
  　- 技人国 → 専門性・関連性・給与の同等性
  　- 家族滞在 → 扶養できるか／本当に家族か
  　- 経営・管理 → 会社の実体・常勤職員・持続性
• 再申請は“同じ書類の再提出”ではなく、“足りなかった証拠の補強”です。

💬 お問い合わせは → きりゅう行政書士事務所（公式）

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