営業所技術者等とは?要件・資格・実務経験を完全解説【建設業許可 第5話】

建設業許可の要件で、経営業務の管理責任者等(以下、経管)の次に必ず確認しなければならないのが営業所技術者等です。
「資格がないと要件をみたさない?」
「実務経験だけでもいいの?」
「一人で経管と兼ねていい?」
こうした疑問点が多く、営業所技術者等についての理解不足が原因で申請が止まるケースも少なくありません。
この記事では、一般建設業許可を前提に
- 営業所技術者等とは何か
- 認められる資格・実務経験
- 常勤性・兼務の注意点
- よくある否認・勘違い
を最新の法令・運用に基づいて、行政書士がわかりやすく解説します。
営業所技術者等とは何か(旧:専任技術者)
営業所技術者等とは、その営業所で請け負う建設工事についての技術的な管理を行う責任者です。
以前は「専任技術者」と呼ばれていましたが、現在は営業所技術者等という表記が使われています。
ポイントは次の3つです。
- 建設工事の 技術的な管理能力 を担保するための要件
- 営業所ごと に配置が必要
- 原則として 常勤 が求められる
経管が「経営面」を見るのに対し、営業所技術者等は 技術面の中核 をにないます。
一般建設業における営業所技術者等の要件
一般建設業では、次のいずれかを満たす人が営業所技術者等になれます。
国家資格を有している場合
業種ごとに定められた資格を持っていれば、実務経験年数が不足していても要件を満たします。
代表例:
- 2級施工管理技士(各種)
- 電気工事士
- 管工事施工管理技士
- 建築士(二級以上) など
※資格は 業種ごとに対応関係 があり、「どの資格でもOK」ではありません。
指定学科卒+実務経験の場合
大学・高等専門学校・高校などで指定された学科を卒業している場合は、実務経験年数が短縮されます。
- 大学・高等専門学校卒:実務経験 3年以上
- 高校卒:実務経験 5年以上
ここでの注意点は
- 指定学科かどうか(学科名が重要)
- 卒業証明書で確認できるかです。
実務経験のみで要件を満たす場合
資格がなくても、一定年数以上の実務経験があれば営業所技術者等になれます。
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して実務経験 10年以上
ただし
- 経験の内容が該当業種か
- 継続性・証明資料があるかが厳しく見られます。
実務経験として認められる範囲と注意点
営業所技術者等の実務経験で重要なのは、その業種の工事に技術者として関与していたかです。
認められやすい例:
- 現場での施工管理
- 工程管理・品質管理
- 技術的な指導・監督
注意が必要な例:
- 単純作業のみ
- 他業種の工事経験
- 曖昧な期間や内容
実務経験の要件は、年数よりも「中身」と「証明」が重要です。
常勤性と兼務のルール(ここが落とし穴)
営業所技術者等には、原則として常勤性が求められます。
常勤と判断されるための基本
- その営業所に 継続的に勤務している
- 他社でフルタイム勤務していない
- 健康保険・厚生年金の加入状況と整合している
兼務で問題になりやすいケース
- 他社の役員・従業員を兼ねている
- 個人事業と法人を同時に回してる
- 名義貸しと疑われるような配置
形式的に置くだけでは、許可後の調査・更新時に問題になる可能性があります。
経管と営業所技術者等は兼ねられる?
要件を両方満たしていれば兼任可能です。
実務では
- 小規模事業者
- 一人法人
- 個人事業主で、代表者が経管+営業所技術者等を兼ねるケースは多くあります。
ただし
- 営業所に常勤していることが求められます(常勤性)
- それぞれの業務を責任持って遂行している実態
- 申請書類や就業規則などで兼任していることの整合性を明確に示す必要があります。
よくある否認・失敗パターン
- 資格はあるが業種が合っていない
- 実務経験の証明資料が足りない
- 他社兼務で常勤性が否定される
- 経験年数の数え方を誤っている
営業所技術者等選任は、「いけると思った」という考えが一番危険です。
よくあるQ&A
資格があれば、実務経験は不要ですか?
業種に対応した資格であれば、原則不要です。
ただし、資格の種類・登録状況には注意が必要です。
実務経験10年は、アルバイト期間も含められますか?
含められる場合もありますが、実態・継続性・証明資料が重要です。
営業所技術者等は、外注や非常勤でも可能ですか?
原則として不可です。
常勤性が求められます。
○✖クイズ|営業所技術者等の勘違いチェック
Q.
Aさんは内装工事の職人として12年間現場経験があるが
特定の資格は持っていない。
内装仕上工事業として営業所技術者等に就任できる。
まとめ|第5話の要点
- 営業所技術者等は「技術面」を担保するための要件あり
- 一般建設業では
- 資格
- 指定学科+実務
- 実務経験の3ルートがある
- 常勤性・兼務には特に注意が必要
- 経管と兼任できるが、実態と整合性が重要になります
営業所技術者等の要件でお困りの方へ
- この資格で要件を満たすのか
- 実務経験の数え方は合っているか
- 経管と兼ねて問題はないか
営業所技術者等は、申請前に要件をしっかり確認することが重要です。
行政書士は、要件該当性の確認から証明資料の整理・申請まで一貫してサポートいたします。
次回予告
【第6話】財産的基礎(お金のはなし)・500万円要件を完全解説
残高証明・自己資本・新設法人の注意点までわかりやすく整理


