🏛 第4回:在留資格の「変更」と「資格外活動許可」をやさしく解説

日本で生活している外国人の方は、それぞれ「在留資格」というルールのもとで活動しています。
たとえば、「留学生」は勉強が本業となり「技術・人文知識・国際業務」の方は、オフィスでの専門職が本業です。

活動の内容が変わるとき──
たとえば「留学から就職」や「家族滞在から定住」へ変わる場合は、必ず在留資格の変更が必要となります。

また、本業以外でアルバイトや副業をしたい場合は、資格外活動許可を取らなければなりません。

この記事では、最新の入管庁のルールに基づいて「変更」「更新」「資格外活動」の違いをわかりやすく整理して、手続きの流れやよくあるトラブルを紹介します。


🔹 1. 在留資格の3つの手続きの違い

手続き名目的たとえば…
在留資格の変更活動内容(仕事・勉強など)が変わるとき「留学」→「就職(*技人国)」
「家族滞在」→「定住者」
在留期間の更新同じ活動を続けるとき「*技人国」で同じ会社に継続勤務
資格外活動許可本来の活動以外で報酬活動をするとき留学生のアルバイト、副業など

*技人国・・・技術・人文知識・国際交流 在留資格の略語

💡 ポイント
どの手続きも「自分の在留目的に合った活動をしているか」を入管庁が確認するためのものです。


🔹 2. 在留資格の変更(活動が変わるとき)

たとえば、在留資格が「留学」の外国人大学生が卒業して、日本の企業に就職する場合。
「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更が必要です。

✅ 審査で見られる主なポイント

  1. 新しい活動の内容が明確で、法律上の在留資格に当てはまるか
  2. 学歴や職歴との関連性(専攻と仕事内容がつながっているか)
  3. 報酬が日本人と同等か
  4. 会社が安定して事業を続けているか

📋 主な提出書類

  • 申請書(入管庁公式の様式)
  • 写真(4cm×3cm)
  • パスポート・在留カード
  • 卒業証明書または職歴証明書
  • 雇用契約書/労働条件通知書
  • 職務内容説明書(仕事内容を日本語で記載)
  • 会社の登記簿謄本・決算書など

💡 留学生から就職する人へ
学んだ内容(専攻)と仕事の内容が「関連している」ことがとても大事です。
例)経営学専攻 → 経理や営業企画の仕事はOK。調理補助などは不可。


🔹 3. 在留期間の更新(同じ活動を続けるとき)

今の仕事・勉強・家族関係をそのまま続ける場合は「更新」です。
有効期限のおよそ3か月前から申請可能です。

✅ チェックされるポイント

  • 活動をきちんと続けているか
  • 収入・勤務状況・学業成績が安定しているか
  • 会社や学校が実態ある組織か

例)
・同じ会社で働き続ける技人国ビザ保持者
・同じ大学に在籍している留学生


🔹 4. 資格外活動許可(アルバイト・副業をしたいとき)

種類は2つ

種類内容対象
包括許可条件を満たせば週28時間以内のアルバイトが可能主に留学生など
個別許可特定の勤務先や内容を指定して働く他の在留資格の人が副業などをする場合

✅ 注意点

  • 本来の活動がメインであること(例:留学生は学業が最優先)
  • 週28時間の上限を守ること(長期休暇中は週40時間まで可)
  • 風俗業など、一部の仕事は法律で禁止

💡 アルバイトの例
・コンビニ、レストラン、通訳スタッフなど(許可ありならOK)
・風俗営業、マージャン店などは禁止。


🔹 5. 手続きの流れ(図解テキスト)

A. 海外から採用する場合(認定証明書ルート)

  1. 雇用契約 →
  2. 会社が「在留資格認定証明書(COE)」を入管庁に申請 →
  3. 交付後、外国人本人が日本大使館でビザ申請 →
  4. 入国・在留カード交付。

B. 日本国内で活動を変える場合

  1. 在留資格変更許可申請
  2. 審査・結果通知
  3. 新しい資格で在留カードを受け取る。

C. 資格外活動許可

  1. 許可申請(包括または個別)
  2. 許可後、範囲内で就労可能。
  3. 内容変更があれば再申請。

🔹 6. よくある不許可のパターンと対策

パターン理由対策
学歴と業務が無関係専門性が証明できない職務説明書で「学んだ内容をどう使うか」を具体的に書く
アルバイトの時間超過上限を超えて働いた勤務表で時間を管理する
会社の実態が不十分新設で資料不足事業計画・契約書・資金計画を添付する

🔹 7. よくある質問(Q&A)

Q1. 在留資格の「変更」と「更新」はどう違うの?
→ 活動が変わるときが「変更」、同じ活動を続けるときが「更新」です。

Q2. アルバイトの上限時間は?
→ 原則「週28時間以内」です。学校の長期休み中は週40時間までOKです。

Q3. 副業をしたいけど可能?
→ 「個別許可」を取れば可能。ただし本業の支障がない範囲に限られます。

Q4. 手続きはどこでやるの?
→ 住んでいる地域を管轄する出入国在留管理局で行います。

Q5. 不許可になったらどうすれば?
→ 原因を明示した通知が届くので、行政書士など専門家に相談して再申請を検討します。


🔹 8. まとめ

  • 活動内容が変わるときは在留資格の変更を。
  • 同じ活動を続けるなら在留期間の更新を。
  • 本業以外で働くなら資格外活動許可を忘れずに。
  • 手続きの遅れや申請ミスは「不法残留」につながることもあるため
    早めの確認と準備が大切です。

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