🕊【行政書士が解説】人が亡くなったらまず何をすべき?相続手続きの流れと期限一覧(第1回)

ご家族が亡くなったあとに「何からすればいいのか分からない」というご相談をよく受けます。
この記事では、行政書士の立場から亡くなった直後から相続手続きまでの流れを期限つきでわかりやすく整理しました。
亡くなって7日間に行うべき手続き、税金や相続放棄の期限、葬儀補助金なども含めて説明します。
🗓 相続の全体スケジュール(早見表)
| 時期 | 主な手続き | 期限・目安 |
|---|---|---|
| ①亡くなった直後〜7日以内 | 死亡診断書の提出、火葬許可、健康保険証返却 | 死亡届は7日以内(戸籍法第86条) |
| ②〜14日以内 | 年金停止・健康保険脱退・扶養手続き | 14日以内(国民年金法施行規則第24条) |
| ③〜3か月以内 | 相続放棄・限定承認の申述 | 民法915条(3か月以内) |
| ④〜4か月以内 | 準確定申告(亡くなった方の所得税) | 所得税法第124条、125条 |
| ⑤〜10か月以内 | 相続税申告・納付 | 相続税法第27条 |
| ⑥〜3年以内 | 相続登記義務化の期限 | 不動産登記法第76条の2 |
参考①:戸籍法第八十六条 死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内
(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければなら
ない。
②国民年金法施行規則第二十四条 法第百五条第四項の規定による老齢基礎年金の受給権者の死
亡の届出は、次に掲げる事項を記載した届書を、当該事実があつた日から十四日以内に、機構に
提出することによつて行わなければならない。
③(相続の承認又は放棄をすべき期間)
民法第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内
に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間
は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる
⑥(相続等による所有権の移転の登記の申請)
不動産登記法第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相
続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有
権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。
遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。
🏥 1. 亡くなった直後に行う手続き
🧾 死亡診断書の受け取り
病院で医師から受け取る「死亡診断書(死体検案書)」が最初の書類です。
この原本を市区町村役場へ提出し、「死亡届」を出します。
👉 提出期限:死亡の事実を知った日から7日以内(戸籍法第86条)
🏛 死亡届と火葬許可申請
死亡届とあわせて「火葬許可申請」を行います。
役所で受理されると「火葬許可証」が交付されて葬儀・火葬が可能になります。
💴 葬祭費・埋葬料の申請(2年以内)
- 国民健康保険加入者 → 市区町村から葬祭費(5万円前後)
- 社会保険加入者 → 協会けんぽ等から埋葬料(5万円+付加給付がある場合は家族埋葬費2.5万円)
👉 申請期限は「2年以内」。
申請には、死亡診断書のコピーと領収書等が必要です。
🏦 2. 銀行・金融機関への連絡
口座名義人が亡くなったのを知ると、銀行は口座を一時的に凍結します。
葬儀や法要などで忙しい期間を過ぎ、落ち着いてから連絡するのが現実的です。
手続きの流れ
- 銀行に「死亡の届出」を行う
- 相続人代表者が「相続届」「戸籍謄本」を提出
- 相続関係確認後に払い戻し・名義変更へ
📌 注意
預金は「法定相続分で仮払い制度」が利用可能(民法第909条の2)。
ただし、限度額は1金融機関150万円まで。
🧾 3. 相続放棄・限定承認の期限
借金・保証債務がある場合は「相続放棄」または「限定承認」を選択可能です。
- 手続き先:家庭裁判所
- 期限:相続開始を知った日から3か月以内(民法第915条)
- 相続放棄をすると最初から「相続人でなかった」扱いになります。
👉 書類例:「相続放棄申述書」「被相続人の戸籍謄本」「申述人の戸籍謄本」
💴 4. 税金・申告関係の期限
| 手続き | 概要 | 期限 |
|---|---|---|
| 準確定申告 | 亡くなった方の所得税確定申告 | 4か月以内 |
| 相続税申告・納付 | 相続人全員で行う | 10か月以内 |
| 延納・物納 | 現金納付が難しい場合、申請可 | 申告と同時期 |
💡 税負担の目安
相続税がかかるのは「基礎控除額」を超える場合。
👉 3,000万円+600万円×法定相続人の数
(例:相続人3人なら4,800万円まで非課税)
🏠 5. 相続登記義務化にも注意(2024年改正)
不動産を相続したら、登記義務があります。
👉 相続を知ってから3年以内に登記申請(不動産登記法の改正)
怠ると10万円以下の過料となる可能性もあります。
💬 Q&A
Q1. 銀行に行く前に相続人を確認した方がいい?
→ はい。相続関係を誤ると手続が止まります。まず戸籍を遡って「相続人関係図」を作りましょう。
Q2. 相続放棄したら生命保険金ももらえない?
→ 保険金受取人が指定されていれば、相続放棄しても受け取れます。
Q3. 相続登記は行政書士に依頼できる?
→ 不動産登記は司法書士業務になります。
行政書士は、遺産分割協議書や戸籍収集でサポート可能です。
🔵 ○✖️クイズ
Q. 相続放棄は家庭裁判所に申請しなくても、口頭で親族に伝えれば有効である。
🧭 次回予告
▶ 第2回:「相続の基本をわかりやすく|誰が相続人になる?何を相続する?」
相続人・法定相続分・相続財産の範囲を図解で整理します。
「誰が、どのくらい、何を」相続できるのか――基礎から丁寧に解説します。


