👪【行政書士が解説】相続の基本をわかりやすく｜誰が相続人になる？何を相続する？（第2回）

「相続は難しいよね」「誰が相続人になるの？」「何を引き継ぐの？」

相続される方からは、こうした質問が多く寄せられます。

この記事では、行政書士の視点から民法の最新ルールに基いて相続の基本をわかりやすく整理しました。

家族に万が一のことがあったときに、何を知っておけば慌てずにすむのかを学んでいきましょう。

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🏛 1. 相続とは？まずはスタート

相続とは、「亡くなった方（被相続人）」の財産・権利・義務を法律で定められた人（相続人等）が受け継ぐ制度です（民法第882条）。

つまり、亡くなった瞬間から財産の承継が自動的に始まるのです。

「誰が相続人なるか」「何を引き継ぐか」は、きちんと法律で定められています。

参照：民法（相続開始の原因）

第八百八十二条　相続は、死亡によって開始する。

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👨‍👩‍👧 2. 法定相続人の範囲と順位

✅ 配偶者は常に相続人になる

配偶者（婚姻届を出している夫または妻）は、常に相続人になります。

ただし、事実婚・内縁関係のパートナーは相続人にはなりません。

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🧬 血族相続人の順位（民法第887〜889条）

順位	相続人	条件
第1順位	子・孫など（直系卑属）	子が死亡している場合は孫が代襲相続
第2順位	父母・祖父母（直系尊属）	子がいない場合に相続
第3順位	兄弟姉妹・甥姪	子も親もいない場合に相続

🟦 まとめると：

• 配偶者は必ず相続人になる
• 子がいれば親は相続しない
• 子・親がいなければ兄弟姉妹へ

参照：民法（子及びその代襲者等の相続権）
第八百八十七条　被相続人の子は、相続人となる。

２　被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

３　前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

（直系尊属及び兄弟姉妹の相続権）
第八百八十九条　次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。

一　被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。

二　被相続人の兄弟姉妹

２　第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。

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💰 3. 法定相続分（民法900条）

相続人が複数いる場合、法律上の取り分が決まっています。

相続人の組み合わせ	相続分
配偶者＋子	配偶者1/2、子全体で1/2（子2人なら各1/4）
配偶者＋親	配偶者2/3、親1/3
配偶者＋兄弟姉妹	配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
配偶者のみ	全額（単独相続）

💡 豆知識

・「遺言書」があれば、この割合を変えることも相続人以外の人に分けることも可能です。

・ただし、相続人には「遺留分（最低限の取り分）」が認められています。

参照：民法（法定相続分）
第九百条　同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

一　子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。

二　配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。

三　配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。

四　子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

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🏠 4. 相続財産の範囲

🟢 プラスの財産

• 不動産（土地・建物）
• 預貯金、株式
• 生命保険（受取人が相続人でない場合でも民法上は「相続財産」には含まれず、受取人固有の財産となります。
  
  しかし、相続税法上は「みなし相続財産」として相続税の課税対象になるのが原則です。）

🔴 マイナスの財産

• 借金、連帯保証債務
• 未払いの税金や医療費

🟡 注意：限定承認や相続放棄をしない限りは、借金も相続対象になります。

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📘 5. 相続財産にならないもの

• 生命保険金（受取人指定がある場合）
• 死亡退職金（受取人指定がある場合）
• 公的年金の未支給分（遺族給付として扱う）

👉 これらは固有の権利として、遺産分割の対象外です。

ただし、これらの金銭を受け取った場合でも、相続税の計算上は「みなし相続財産」として扱われ相続

税の課税対象になる点には注意が必要です。

相続税には、非課税枠（「500万円 × 法定相続人の数」など）が設けられていますので専門家に相談することをお勧めします。 

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⚖️ 6. 行政書士がサポートできること

項目	内容
相続人調査	戸籍・除籍・改製原戸籍の収集と相続関係説明図の作成
相続財産調査	預金・不動産・保険などの確認
遺産分割協議書	相続人全員の合意内容を法的書面にまとめる
行政手続支援	銀行・役所・保険会社への提出書類の作成支援

💬司法書士・税理士と連携して「登記」「税申告」もトータル対応可能です。

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💬 Q&A

Q1. 養子も実の子と同じように相続できますか？

→ はい。養子も民法上の「子」として相続人になります。普通養子でも同様です。

Q2. 離婚した元配偶者は相続できますか？

→ いいえ。離婚が成立すると相続権は完全に失われます。

Q3. 相続人が行方不明のときはどうすれば？

→ 家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てます。

🔵 ○✖️クイズ

🧭 次回予告

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