🏠【行政書士が解説】相続登記の義務化|期限・手続・放置リスクをやさしく整理【第8回】

2024年4月1日から相続によって不動産を取得した際の名義変更=「相続登記」が法律で義務化されました。
放置すると過料(10万円以下)が科される可能性があります。
この記事では、いつまでに・何を・どう手続すればいいかを行政書士の視点でわかりやすく解説します。
1. 相続登記とは何か?
「相続登記」とは、お亡くなりになられた方(被相続人)が所有していた不動産を相続人の名義に変更する手続きです。
法改正前は任意の扱いでしたが、令和6年4月1日より義務化されました。
2. 義務化されたポイント(不動産登記法76条の2ほか)
- 不動産を相続により取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産を取得したことを知った日から 3年以内 に相続登記を申請しなければなりません。
- 過去の相続(改正施行前)についても適用され、令和9年3月31日までに登記を完了させる必要があります。
- 正当な理由なく期限を過ぎた場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
3. 手続きの流れ(相続登記)
- 相続人の確定(戸籍・改製原戸籍の取得)
- 不動産の調査(登記簿・固定資産税課税台帳等)
- 遺産分割が済んでいる場合:遺産分割協議書の作成
- 登記申請書類の作成(申請書・固定資産評価証明書・収入印紙など)
- 法務局に提出・名義変更完了
👉 手続きの前準備を怠ると、3年という期限に間に合わず早めの着手がポイントです。
4. 放置するとどうなる?リスクと過料
- 所有者が誰か分からない「所有者不明土地」の増加が背景。
義務化の目的の一つです。 - 過料:10万円以下(正当な理由なしで期限を超過した場合)
- 放置すると:
- 不動産売却・担保提供ができなくなる
- 相続人が多くなり手続きが複雑に
- 名義が古いまま大地震・災害などでトラブルの種に
5. 実務で押さえておきたい3点
- 遺産分割協議がまだ終わっていなくても、「相続人申告登記」という制度を使って暫定的に手続きできることがあります。
- 手続き費用・登録免許税も事前に確認しておく。
名義変更にかかる負担を想定しておきましょう。 - 複数不動産・複数相続人の場合は、専門家(司法書士と行政書士)と連携しましょう。
期限に間に合わない「正当な理由」を証明するための資料も早めに準備を。
🔒【重要】相続登記は司法書士の業務です
相続の手続きには
- 行政書士が扱うことができる業務
- 司法書士でなければできない業務
があります。
📌 行政書士ができること
行政書士は次の相続関連業務を行うことができます:
- 戸籍収集・相続人調査
- 法定相続情報一覧図の作成
- 遺産分割協議書の作成
- 相続関係説明図の作成
- 各種役所への届出書類の作成
- 相続手続全体のコーディネート
- 相続相談・生前対策(遺言書サポートなど)
👉 相続の“書類の土台”を作る専門家が行政書士。
📌 司法書士の独占業務(行政書士はできない部分)
不動産の名義変更(相続登記)は 、司法書士の独占業務(司法書士法3条1項・不動産登記法)です。
- 不動産の相続登記の申請
- 登記申請代理
- 法務局へのオンライン申請
- 不動産の権利登記に関するすべて
👉 行政書士は 登記申請の代理は一切できません。
👉 ただし、必要書類の準備や司法書士との連携・橋渡しは可能です。
🤝 行政書士+司法書士の連携が最強
行政書士が“相続全体を設計”し、司法書士が“不動産登記を実行”する。
この連携が一番早くて確実な相続処理になります。
行政書士:相続に関する調査・書類作成・協議書の作成
司法書士:不動産の名義変更
税理士:相続税申告(10ヶ月以内)
弁護士:もしもの紛争対応
📘 Q&A
Q1. 3年以内というのは“死亡してから”ですか?
→ いいえ。「自己のために相続の開始があったことを知り、かつその不動産を取得したことを知った日から3年以内」です。
Q2. 過去に相続した不動産も対象ですか?
→ はい、改正前の相続も対象(令和9年3月31日までに完了させる必要あり)です。
Q3. 期限を過ぎたらすぐ10万円払わなければならない?
→ 期限を過ぎてもすぐ過料が科されるわけではありませんが、正当な理由なく放置すると法務局から催告が入り、その後過料の可能性があります。
🔵 ○✖️クイズ
Q. 相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならない。
📩 行政書士にご相談を
不動産の相続登記は「期限が決まっている&手続きが複雑」ため早期に着手することがトラブル防止につながります。
行政書士は、戸籍調査/役所への届出書類の作成/遺産分割協議の整理などを専門的にサポートします。
👉 きりゅう行政書士事務所に相談する(初回相談無料・オンライン可)


